ニニ

シンクロ・ダンディーズ!のニニのレビュー・感想・評価

シンクロ・ダンディーズ!(2018年製作の映画)
3.0
上映時間96分。 同じ実話を基にしたフランス版『シンク・オア・スイム』は122分。個人的にはフランス版の方が好きかな。

本作の主人公はロンドンの金融街にあるビルの高層階で働く会計士。
フランス版の主人公は失業中だったけど、仕事があってもなくてもどちらも毎日に満たされないものを抱えてる。

フランスのベルトランはチームのメンバー募集を見つけて自分から参加を申し込み、イギリスのエリックは公営プールで出会った男達に見込まれ巻き込まれるようにシンクロチームへ。

フランス版はかなり直球なスポ根人情劇でおじさんたちの誰か1人くらい視聴者がこれは自分だと感情移入してしまう描かれ方だったのに対してイギリス版のチームには「私生活をプールに持ち込まない。語らない。訊かない。」という掟がありチームメイト1人1人に関する描き込みはかなりサラッと控えめ。
英国紳士の気質からなのか激しく意見がぶつかり合った後もプールを出たら結構すぐに「俺が先に悪かった」って謝り合って収まってたり、ドラマチックな起伏も少なめ。

ミラノに旅立つ空港での勝負に出る男達の揃いのスーツ姿が勇ましくて、人生にはそんな場面が何度かあるよねと。
一転、家族のそんな勝負の日に奥さんと息子が会場に来ていないことに不覚にもメソメソ泣いてしてしまった。
出番までに駆け付けてくれるのかオンラインで見守ってくれるのかと思ったけどそれもやっぱりサラッと……。
きっと観てくれてのあのラストなのだろうけど。

競技前のロッカールームでのシーンも思わずメモりたいスピーチだったけれど、ここまで沈着だった紳士達が順位発表を聞くシーンが好きだった。
U.S.チームに失礼でしょうが!笑
紳士らしくすぐに素直に謝るあたりが彼ららしく。

男の人はおじさんになってもウ◯コ1つであんなに皆で大笑いできるんですね。
その童心を忘れなさも含めて男子同士の絆がとても眩しく思えます。
主人公の奥さんに向けたパフォーマンス、正直旦那さんに職場の前であれをやられて心に響くかと言ったら必ずしもYESとは言いきれないけれど、あんな仲間を持ってる旦那さんのことを誇りに思うと思う。羨ましい。

仏版『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』のレビューはこちらです。
https://filmarks.com/movies/82473/reviews/70858464
ニニ

ニニ