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バード・ボックスのhirokiのレビュー・感想・評価

バード・ボックス(2018年製作の映画)
4.4
謎の怪物が出現。それを見たものは正気を失い自殺してしまう。主人公のマロリーは息子と友達の娘を守るため、視界を失った状態で安全地帯を求めて旅に出る。

目が見えるということが普段私たちの生活に及ぼす影響の大きさを目の当たりにした。見えないことによってどれだけの恐怖があるか。実際に体験してみないと実感は湧かないが、映画で擬似体験しただけでも恐ろしかった。

正体不明の謎の怪物は闇を抱えた人々にとってはなんの脅威にもならず、むしろ美しいと形容していた。そのことから、怪物の正体は心の闇のようなもので、それを見ると正常な人は心が負の感情に支配されてしまうということなのかなと思った。

川下りを乗り越えて、マロニーたちが森にたどり着いたとき、怪物の声によって何度も目を開けそうになっていた子供たちを見て、ずっとヒヤヒヤしていた。無事にマロニーのもとに戻ってきて、子供たちを抱きしめている姿はすごく感動した。

疑問に思った点は、なぜ家の中では怪物が見えないのかということ。そして、その正体は何だったのか。心が邪悪な人たちにはそれらはどう見えていたのか。ゲイリーが紙に書いていたイラストのような感じなのかもしれないが、定かではない。

世界の終末で人々が絶望したり、希望を見出したりする様は、ウォーキングデッドの世界と被るところがあって、非常に理解しやすかった。
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