Takaomi

バード・ボックスのTakaomiのレビュー・感想・評価

バード・ボックス(2018年製作の映画)
4.0
見えないなにかが襲ってくる系の作品では、ナンバーワンでした。

ラストのメッセージ性がすべてをスッキリさせてくれます。

表面的にはラストのラストまでパニックスリラーで、内面は思いっきりメッセージ性が込められている作品だと思いました。

いつ襲われるかわからない状況での食料調達とか危機的な展開でまったく知らない他人との共同生活での疑心感とか助けを求めてくる信用のまったくできない怪しいやつとかはやっぱりいるわけで。
サバイバルの映画としてもたっぷり楽しめます。

さらにはこの映画のモンスター=なにかは、見えないどころか自然そのもので外に出るのはおろか日差しを浴びることのできない強敵なんですよね。

もしそのなにかと目があってしまえば、確実に死んでしまう。
やつらに遭遇しない唯一の方法は目隠しして見ないことだけ。

果たして彼女と子供らの運命は?


見てない人もいるかと思うので、ここからネタバレの考察をしたいと思います。





おそらくこの映画は見えないことへの恐怖心や焦燥感を描いているのです。
ラストに出てくる施設は本来目の不自由な人が生活する場所でありました。
つまり目の不自由な人がどんな世界で生きているのかにスポットを当てています。

突如目のみえる人が、目を見開くことのできない状況に落ちたら不安に苛まれるに違いありません。
それはまさにこの映画からもみてとれます。

外に出れば見えないなにかに、遭遇するかもしれない。障害物や人の冷たい視線や言葉を浴びせられるのかもしれない。

それはあの見ることのできないあのモンスターなんです。
形を見たことも色すらもわからないものを良いものと理解することはそう簡単ではありません。
それによって外に出ることは容易ではなく、その生きづらさから恐怖心から外に出られない恐怖で、家に留まることが多くなる人もいるわけです。(部屋中の窓に紙を貼って光をとざす。)

それを表してるシーンこそが目隠しで動くシーン、なにも見えない車での運転でぶつかる障害物。そしてあの長い長い川下りです。
あのすべての困難を川下りのようにひとつひとつ乗り越えていて、ときどき襲ってくるやつらは差別する人や暴力を表している気がする。

あとはラストの道に迷うシーンもそう。
なにもわからない見えない空間で迷ったらどんなに怖いのか。
だから音を便りにしていて、鳥の鳴き声や鈴の音、ひとつひとつの音を大切にしていたのだと痛感した。

依然なにかの記事でスティービーワンダーがあなたたちは私よりも盲目だと言っていたのを思い出したけど、いかに素晴らしい世界を見ているのかをわすれてしまっているのか。

太陽や月、海、何気ない風景、電車、大切な人の顔ひとつひとつすべてが当たり前ではない。どんなことも。
まさに盲目なのは私たちであります。

自分の都合や思い込みで、相手や子どもの新しい経験や景色を塞いでは行けない。

気づいてからでは何事も遅いということから、思い詰めて死んでしまうという発想にしたのかわからないけれどそれだけは謎でした(笑)