もけ

スノー・ロワイヤルのもけのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.8
行いの良し悪しは別にして、地元に貢献してきた父親たちの息子への愛が殺し合いに発展する物語。
でもなんか噛み合わないシュールさが独特の面白みを醸し出してる。
色んな関係性が「すれ違ってる」んだよな。
ラストが清々しい感じになってるところにブラックな笑いをぶち込んで終わるキレの良さ。
面白かった。

音楽も好きな感じだったなぁ。
民族音楽的というか牧歌的な色があり、そして旋律が美しい。
(後日サントラ購入した)

キャラが脇役まで一人一人しっかり立ってて楽しいし、いっぱい死ぬんだけどその度に良い感じのフォントと十字架で名前が表示されるのもカッコ良かった。
マフィアのカップルの片割れが組織の意思とは別に行動するところをさりげなく、でも重要なポイントで描写するのも良かったなぁ。
彼が何を考え何のために動いたかがそれだけで汲み取れるという、脇役に対しても細やかな描写。

ちなみにいっぱい死ぬんだけど、死ぬ瞬間をいちいち描写するのではなく名前と十字架を表示するだけでその死を観客に伝えるというスマートさもあるんですよ。
ストーリーだけ聞くとB級映画と思うかもしれないけど、決してそう単純な映画ではないという事は書いておきたい。
監督の手腕が見事。

雪景色とそこに暮らす人達を一歩引いた視点で時に美しく、時に力強く切り取る撮影も良かった。
意外と見どころ多いですよこの映画。
最近蒸し蒸しするので視覚的にも気持ち良かった。

ちなみに同じ監督が作ったリメイク元の『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』はアマプラでウォッチリストに入れてあるけどまだ観てない。



(ツイッターに書いた感想をコピペして追記・再構成)
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