映画が終わっても、それが本当に真実なのか疑問が残る。終盤にテッドが刑務所のガラス越しにリズに書いて見せた文字「弓ノコ」は、本当に犯人しか知りえない事実と言えるのか？▼たとえば、こんな見方はできないだろうか。最愛の人リズが通報していたと知ったテッドが、自暴自棄になって、首なし死体から連想した凶器を書いて見せた──。十分考えられるのではないか。▼あるいは、これ以上自分に関わらせたくない、自分を忘れて別な人生を歩んで欲しいとするテッドのリズに対する最後の優しさだった可能性はないのだろうか。いい歳をして私はお目出たいのかしらん。
