aoringo

テッド・バンディのaoringoのレビュー・感想・評価

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
4.0
テッド・バンディといえば30名以上の女性を残酷に殺害したアメリカの有名すぎるシリアルキラーですが、本作は彼の逮捕から死刑に至るまでをこれまでとは違い、彼とともに過ごしたシングルマザーの恋人リズとの生活側面から切り取った作品となっている。
ザック・エフロンが主演だけでなく製作総指揮、こういうテーマに注目するのかと意外!リズ役よリリーコリンズも可愛いーーー🥺ほんま可愛いーーー。そしてメガネのほうの彼女を演じたカヤ・スコデラリオもまた可愛い!!初見!

裁判官がなんとジョン・マルコビッチやんかっ!!渋いなー。この事件では、裁判官が最後にテッドに話した言葉がたいへん有名だそうで、本作でもマルコビッチがそのシーンを演じてるのですが、めちゃくちゃよかったです。なんだろ、あの説得力というか存在感。

稀代の凶悪犯でありながら、甘いマスクと明晰な頭脳、ずば抜けたコミュニケーション能力を持ち、裁判では自らの弁護までしてしまうほど。

けれど、リズと過ごす日々を眺めていると私も『冤罪なんちゃうん?』『こんないい人がそんな残酷なことする?!』と疑ってしまうほど、これまでのシリアルキラーの顔とは全く違う人間がそこにはいました。

事件があったことも、被害者が亡くなったことも紛れもない事実であるにしろ、真実は語る人のかずだけあるのだなあ、としみじみ。

ある女性はサクッと殺しレイプするのに、ある女性のことは大切にする。その心理ってなんなんやろね。まったく感情のないサイコパスなら、あの優しくて楽しい生活はなんだったんだろう。(他の方のレビューに、テッドはサイコパスじゃなくて、ソシオパスだと書いてました。へー)

理想を形にすること、抑えられない衝動、さてはて。人間とは複雑だ。
aoringo

aoringo