題:極めて刹那的、びっくりするほど表層的で軽薄な映画
テッド・バンディ…70年代の全米を震撼させた伝説の殺人鬼です。
日本でも90年に出されたデアゴスティーニの『マーダーケースブック』第4か5号に取り上げられました。
本作、3つにまとめてレビューします。
1.タイトル
映画の原題「Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile:極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」は、バンディに死刑判決を言い渡す際、裁判長が読み上げた判決文の中に含まれていた文言だそうです。
2.バンディの本性と映画でのバンディ描写
「FBIなんちゃら」って本でバンディとFBI行動科学課ロバート・K・レスラー氏との対談を読みましたが、バンディは救いようのないサディストの変態性欲者です。
本作の印象は、そんなバンディをカッコよく、魅力的に、人間的に描いています。
表層的で、薄っぺらく、ミーハーで興ざめしました。
しかし、これは…
バンディの本質を知らずに魅了された女性たち、
バンディに踊らされたアメリカの公安と司法、
バンディに翻弄されたメディア、
彼らをメタ的な視点で描いたのかな?と思いました。
そういう視点で観れば面白いんじゃないでしょうか?
3.役者
バンディ役のザック・エフロンは良かったです。稀代の変態殺人鬼を熱演したと思います。
日本でいえば福士蒼汰くんみたいなイケメンが大久保清の役をやるようなものです。
バンディの狼のような眼がそれっぽかったと思います。
ヒロイン役のリリー・コリンズ嬢は、ため息が出る程可愛いし、ちょっとだけエロいシーンにも挑戦してくれているので、満足です。
が、角度によってはお父さん(フィル・コリンズ)の顔が出てくるので、実の娘なんだなと思いました。