朝田

ビーチ・バム まじめに不真面目の朝田のレビュー・感想・評価

5.0
今年暫定ベスト。最高すぎる。カメラも登場人物も全てがハイになってラリッてる。ドッグがあらゆる義務や責任から逃れた存在であるが故に、映画自体もあらゆるルールから逸脱してる。デビュー作「ガンモ」では、少年が猫の死体をカメラの前にかがけていたが、本作は新しく猫を拾う所から映画が始まる。そこに現在のコリン自身の心境を垣間見て既に泣きそうに。奇妙な人間たちのコミュニティーを描くという意味では過去作から一貫しているが、今まではそこに虚無感や、死のイメージを立ち上がらせていた。しかし、本作は多幸感に満ちている。直線的なストーリーからは解放され、ただ画面と、被写体の魅力のみで成立している。ハーモニー・コリン特有のブレたカメラワーク(フィックスのショットが一つもない)、異なる時間や空間をぶつ切りで繋いでいく編集もラリッた人物たちが見る酩酊した世界を体現する。ムーンドッグがジョナ・ヒルにビーチで黙って肩を回すショット、スヌープ・ドッグが花火をバックにキスするショットなど馬鹿馬鹿しいがロマンチックな画面の数々。「新学期走行ゼロ」のオマージュすらラリッた状態の表現として落としこむ作家はコリンの他にいない。ストーナー・コメディとしても、フロリダの街を記録した映画としても、ハーモニー・コリンの新作としても完璧でした。永遠に見れる。