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川沿いのホテルのレクのレビュー・感想・評価

川沿いのホテル(2018年製作の映画)
4.4
漢江を望む閑静なホテルを舞台に、何気ない会話の中で"老いと詩"を介して女性を追い、やがて死を迎える人生そのものが集約された傑作。
出会いとすれ違い、絶妙な距離感を描いた群像劇と会話劇から導き出される愛の機微が随所に見られ心を掻き乱す。

疎遠になっていた2人の息子たちと再会。
わだかまりを抱えた息子たちとの対話の中で、ホテルで出会った美女2人を追う老いた詩人が向かう先にあるもの。
罪悪感を尻目に愛に多幸感を見出す孤独。
個々の人生の一部を切り取り、家族の話と見せ掛けて男女の人生そのものとして映し出す。
そして日常会話や人間の性分を覗き見せ、観客をも巻き込むメタ的構造。
ホン・サンス監督の圧倒的センス。


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