おはる

BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-のおはるのレビュー・感想・評価

BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-(2019年製作の映画)
3.8
「三大肛門疾患グランドスラムだよ畜生!」
見た目はアイドル心は極道な3人組がアイドル界のテッペンを目指すお話。

盃を酌み交わしたヤクザ3人が仁義なき戦いの落とし前をつけるため、肉体改造と地獄のレッスンの末"ゴクドルズ"としてアイドルデビューする…。そんな完全に出オチみたいな物語なのだけれど意外にもちゃんとしたドラマがあって感心してしまった。
本作で描かれるのは3人のアイデンティティの喪失、そして再生である。アイドルとしての自分あるいは極道としての自分との狭間で葛藤しつつも覚悟を決めた彼ら、いや彼女たちはアイドル道を極めんと突き進んでいく。

個人的には岡本夏美ちゃん演じるアイリを推したいところなのだが、チカピョンが本当にいい味出してた。「覚悟足んねぇんすよ!」とか言ってウジウジ悩むアニキ分の2人にブチ切れるシーンは最高。
あとライブシーンは3人ともアイドル級に可愛いし曲もいいしで本当に素晴らしかった。

ただなんとなく思ったのは尺が足りねーなということ。テンポよく進むのはいいのだけれど、全体的に薄いというか。とくにクライマックスのカチコミ後の駆けつけライブなんかはゴクドルズの立ち位置がアイドルファンの間でどんなものかがあまり示されないため大きなカタルシスに繋がらなかったのが非常に残念。
3人の内面は割と丁寧に描写していただけに他のところももう少し馬鹿馬鹿しくかつ丁寧に描いていたらきっと今年ベスト級になっていただろうに…。個人的には色々勿体ないと思った作品でした。
おはる

おはる