ミスター・ロジャースは子供にの気持ちに寄り添い、子供が感情をポジティブにとらえるメッセージや子供ＴＶ番組を作ってきた人らしいけど、映画では大人に対しても向き合えない感情を優しく受け止めていたところが見どころだったと思う。ミスター・ロジャースが主人公ロイドと話しをしていた時、子供には通用することが大人相手ではどうにもダメで、なかなか大人は難しいなと思ったけど、結局は子供も大人も根底では同じような感情に縛られて生きているのかもしれないなと思った。去年話題になった彼のドキュメンタリーを見逃したので、実際に彼がどんな人だったのかをもう少し知ってみたいなと思った。この映画ではミスター・ロジャースは話の主人公ではないので、彼を目的で観に行くと少々物足りないかもしれないけど、脇のスパイスとしてもっと彼を知ってみたいと観客も思えて良かったと思う。
悲しいとか辛いとか拭えない怒りとか、そういう負の感情だってきちんと付き合って昇華させてあげようよ、という大人のセラピー映画でもある。
