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幸せへのまわり道のmaroのレビュー・感想・評価

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
4.0
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:70/116
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

トム・ハンクスの演じたフレッド・ロジャース、僕は初めて知ったけど、アメリカでは有名な方のようだ。
子ども向け番組の名司会者のおじさんっていうと、日本だとグッチ裕三ぐらいしか思いつかないけど(笑)

そのフレッドが、とてつもない人格者であるのが、この映画の魅力かと。
僕もああいう人でありたいって思うほどに人間ができてる。
決して他人を怒らず、否定せず、いつもおおらかで優しく、悩んでいる人や困っている人を諭すかのように語りかける。
インタビューしているロイドがいつの間にか自分がインタビューされている感じになるから。

それでいて、「ありがとう」を忘れない。
どんな小さなことにも感謝をして、それを言葉にして伝える心遣いの鬼。
フレッドの妻いわく、努力と訓練によって培ったものらしいけど、、、すごい。。。

ロイドは父親に対する長年の恨みが募りすぎてて、なかなか許すことができないのだけど、フレッドと会話をしていくことで少しずつその怒りが溶けていく。
「君は信念があって、善悪の区別をきっちりつけられる」とフレッドは言うのだけど、曲がりなりにも父親とのわだかまりがあったからこそ出来上がった人間だということを気づかせてくれる。

そこから、父親とも少しずつ話ができるようになり、育児を妻に押し付けていた考えも改め協力的になっていく。

結局、感情をコントロールするには、その原因を突き止めて受け入れることが必要なんだということがわかる。
辛いことには何かと目をそらしたり、変なこだわりが出てきてしまったり、歳を重ねるとさらに変化というものが難しくなってくるものだけれど、この映画のフレッドのように親身になって背中を押してくれる人がいるといいね。

何か怒りが抑えられない人や子供が生まれたばかりの人にはちょっと観てもらいたい作品。
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