ノラネコの呑んで観るシネマ

ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.1
Netflix。
「ナイトクローラー」の監督主演コンビのホラー映画。
生馬の目を抜くLAのアート界。
この世界で成功を夢見る人々が、無名のまま死んだ画家の膨大な作品を手にする。
彼らは「全て破棄しろ」との遺言を無視し、大々的に売り出す。
ところがその作品群は、もれなく呪い付きのヤバイ代物だったという話。
カテゴリ的にはホラーの範疇だが、ぶっちゃけ全く怖くはない。
これは「芸術=金」として、欲望と虚栄心に踊らされる虚構の街のアート界の人々を風刺したブラックコメディ。
明確な主人公がいない群像劇で、ちょっと視点の置きどころが無かったり、描写不足で感情が繋がらない部分もあるのだが、芸達者な役者たちによる外連味たっぷりの悲喜劇はなかなか面白かった。
それぞれの死にっぷりも皮肉たっぷり。
同じ絵が売り方によって5ドルにもなるし500万ドルにもなる、摩訶不思議なアートの世界を人間ごと思いっきりぶった斬ったユニークな佳作。
毎度のことながら、ジェイク・ギレンホールはぶっ壊れた演技するとかわいいな。
ブログ記事:
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