松尾スズキ監督&主演作ということで、『愛の渦』同様に舞台みの強い(個人的には苦手なタイプの)作品なんだろうな……と覚悟して臨んだら、意外と面白かったヤツ。
(主人公のキャラが脚本家で、かつ映画内で舞台を扱っているからメタ的に楽しめたから…ってことになるかな)
この手の"同情不要な主人公"って全く応援する気にならないから、普段だと途中で「もう勘弁して!」ってなるんだけど、松尾スズキ自らが「徹底的にバカをやろう」と振り切っている清々しさを感じられたから、「仕方ない、つきあってやっか…」って感じになれました。
(それでも途中でダレちゃうところもあるから、もう10分ぐらい尺を削ってくれたら良かったのに…)
クライマックスの"愛の海"は、確かに気合いが伝わってくる一大スペクタルシーンとして良かったけども、なぜか大東駿介だけが守りに入っていて興醒めなんで、「だったら出演すんなや!」って思っちゃいました。
(それ以外のシーンの演技が良かっただけにね…)
(クライマックスを見ながら、全く記憶に残っていないジョン・キャメロン・ミッチェル監督の『ショートバス』を見返したくなりました…)
舞台みが強く始まったけど、最後はちゃんと"映像表現ならでは"なシーンだったので、某舞台出身監督の撮るヤツなんかよりかはずっと好感持てます!
(欲を言えば、途中の妄想ミュージカルシーンは屋外設定の方が映画的だと思うかな…)