「東南アジア映画の巨匠たち」
知らない世界、行けない場所での出来事を見せてくれるのが、映画の良さの一つだと思っていて、その点でとても価値がある。
もともとドキュメンタリー的に撮るのが作風らしいけど、正にその通りだった。
特にストーリー上では重要ではない細かい部分を描くことで現実感を補強することに成功していると感じた。
例えば警察の報告業務や銀行での書類手続き記者会見が終わった後の記者たちの撤収作業など、普通は使わないようなシーンをあえて入れている。
汚職警官と内通者兼売人とのコントラストも分かりやすくて良かった。ちょっと単純すぎる気もするけど。
売人の役の人の演技はとても良かった。
まさにゴミの中でハードな生活を送っているのに、悲劇的な雰囲気を出さす、淡々としたたかに生きている感じがとても上手かった。
映画の後で期せずして、監督のQ&Aがあった。
・SWAT部隊は本物とのこと
・フィリピンは割と検閲が厳しくなく特に圧力は無いらしい
ボーダーライン(シカリオ)とのテーマや音楽との類似を指摘されていた方がいて、その点に監督は答えて居なかったけど、少なくとも音楽は絶対に影響受けていると思ったけどなー。