キャサリン子

殺さない彼と死なない彼女のキャサリン子のレビュー・感想・評価

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
3.9
ラノベっぽいタイトルから、胸キュン系のキラキラ青春ラブストーリーなのかと思いスルーしてましたが、レビュー評価が高いので暇潰しに鑑賞。

良い意味で期待を裏切られました。なんだこれ。
ただ高校生の三者三様の淡い恋愛模様を書いただけの作品じゃなかった。
タイトルとキービジュアルからは想像もつかない驚異の作品でした。


“死ね”“殺すぞ”が口癖の「小坂」と
なにかにつけて“死にたい”と口にしリストカットを繰り返すメンヘラ女子「鹿野」。
幼稚園からの幼馴染の「地味子」と「きゃぴ子」。
「地味子」の弟「八千代」と彼を好きでしょうがない「撫子」。

三者は一見繋がりはないのだけれど、後半に差し掛かるとストーリーは大きく転調。3つのオムニバスストーリーが終盤繋がります。
それは全く予期していなかった展開ですが、後々思い返せば伏線はしっかり張られていました。


映像は淡い色合いで美しく、光の使い方も絶妙。脆さや危うさ、儚さが旨く表現されています。
後半の、手持ちカメラでの長回しのワンカットもリアリティがあってとてもよい。
良いタイミングでピアノのBGMが入り、切なさに胸が締め付けられました。

間宮祥太郎が高校生役!?と思いましたが、あの「オトナ感」が逆に良かった。
そして、何と言っても桜井日奈子ちゃん!
見事にメンヘラ女子役が様になっていました。
特別、光っていたと思います。監督との相性が良かったのな。
個人的に新人賞あげちゃう(笑)!
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