わだげんた

盆唄のわだげんたのレビュー・感想・評価

盆唄(2018年製作の映画)
3.0
今年もまた3.11がやってきました。
もう8年になるんですね。

『ホテル・ハイビスカス』『ナビィの恋』の中江裕司監督が福島県双葉町を舞台にしたドキュメンタリーを作ったと聞いて劇場へ。中江監督といえば沖縄のイメージなんですけどね。中江監督の10年振りの作品らしいです。

この映画が撮影されたのは2015年ぐらい。避難区域になっていて町に戻れない人たちは散りちりになって生活している。

避難している人々はたまに故郷へ戻る。バリケードで入り口を封鎖されていて町に戻るには許可証がいる。時間制限もある。

戻った町は3.11から時間が止まっていて、壊れた家は壊れたまま、割れた道路は割れたまま、逃げたペットは野生と化して我が物顔で暮らしている。

”戻る”ということに関してみんな諦め気味で、もし住めるようになったとしたら戻りますか? という質問の答えも、”戻りたい派”と”戻らない派”が半々くらい。

そんな中でも、町に戻るのは難しいけれど、町に伝わる”盆踊り”だけは後世の人たちに伝えたい、という気持ちが町の有志たちにはあり。

そんなある日、ハワイの日系人社会で100年以上を歌い継がれている”フクシマオンド”というものがあるのを住人たちが耳にする。

”双葉町の盆唄”もハワイで踊ってもらおうと住人たちは行動に移すが…。

って流れ。

もちろん、抱えているものはそれぞれ大きくて、悩みもたくさんたくさんあるんだと思うけれど、町の人たちはとにかくパワフル。

途中。”双葉町の盆唄”のルーツが描かれるアニメーションが挿入されているんですが、そのアニメパートの声優さんがとても豪華なのも見所です。

実際に盆唄が歌われ、人々が踊るシーン。じわっときました。
ドキュメンタリーの力をじんわり感じるられる作品でした
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