牛猫

盆唄の牛猫のレビュー・感想・評価

盆唄(2018年製作の映画)
3.5
東日本大震災により避難を余儀なくされた双葉町の人々が、伝統の盆唄を受け継ごうと奮闘する姿を追ったドキュメンタリー。

福島の双葉町に根付いた盆唄が失われる危機に直面していたところ、遠く離れたハワイで親しまれているというのが嬉しかったし、興味深かった。
そこから何故ハワイに伝わったのか、時代を遡ってルーツを辿っていく構成。
途中アニメや童歌を交えて展開していくのも飽きない工夫がされていて良かった。
その土地に根付いた伝統や文化にはそれ相応のストーリーがあるのだと思った。
ジャンルは全く違うけど、ホラー映画の「残穢」を思い出した。

戦争や震災によってその土地を去らざるを得ない状況になっても、夢や希望を盆唄に託して受け継いでいこうとする姿は心に響くものがあった。特にハワイで言葉の壁や差別を受けながらも盆唄を唄い、踊り続けた人はとても強いと思ったし、歌や踊りは国境を越えると思った。
それと同時に、人々の暮らしや故郷を無慈悲に奪っていく戦争や原発は本当に無くしていかなければいけないと強く思った。
牛猫

牛猫