盆唄の作品情報・感想・評価

上映館(8館)

盆唄2018年製作の映画)

上映日:2019年02月15日

製作国:

上映時間:134分

あらすじ

「盆唄」に投稿された感想・評価

miyagi

miyagiの感想・評価

4.0
福島とハワイを舞台にした、盆唄(盆踊り)をめぐるドキュメンタリー。
2015年から取材をはじめ、福島の復興が進んでない現状と、もう帰ることはできないと諦めの気持ちが垣間見える登場人物たち。

福島からの移民で日系人が多いハワイに、伝統を一度預けるという名目で、双葉の伝統の盆唄を伝えにいく。
福島とハワイの意外な関係を初めて知った。
流れ着いたポールが、世界が繋がっていることを象徴しているようで、感慨深かった。
にしても、ハワイの人たちのパワフルな踊り。
日本ではもうこんな光景見れないことに危機感を感じずにはいられなかった。

中盤のアニメーションが秀逸。
先祖から伝わってきたことが大切なファクターの一つであり、監督の伝えたいことが伝わってきた。

先祖も、ハワイの移民も、そしていまの避難民たちも「よそ者」として扱われている。
特に、災害により故郷を失った福島の人たちには、いつかその故郷で盆唄を響かせることを願わずにはいられなかった。

そして自分自身も故郷を想わずにはいられなかった。
不思議なドキュメンタリーだ。
狭い東京を見渡しついため息がもれた。

しかしながら、作品に関してはもう少し登場人物減らして掘ったほうがいいと感じた。
どこに軸があるのか掴みづらい。
ラストも、そのままの演奏でいってればいいものを、それ用に撮って声まで足したりしてたので、最後の最後に興ざめしてしまった。
これは非常に残念。
避難生活のはずの横山さんと今泉さんの家があまりにも豪邸だったことも、ちょっと違和感を覚えてしまった。

2019劇場鑑賞24本目
移住と回帰の物語。


最初に言っておくべきだけど、これはドキュメンタリーとしては悪い作品だ。
製作者の介入も甚だしい…でもこんなのがおれは大好きだったりする。

そもそも反原発色の強い作品ではなく、太鼓や笛、唄の魅力や、故郷への想いを撮った作品。
自らの好きを誰かに伝えたい…そんな作品がつまんないはずないんだよ。


この映画がフィーチャーした人々というのは、
帰還困難区域に住んでいた盆踊りのスペシャリスト達や、日本よりも盆踊りを発展させた日系ハワイ人
…というように今住んでるところ以外にルーツのある人達。

自分のルーツて一つのアイデンティティなんだなと改めて感じる。
みんなそこに焦がれる思いがあるんだよなぁ。

そんな彼らが場所は違えどもう一回、と意気込んで催した盆踊りがとてもとても素敵だった。


しかし、それだけでは終わらず…

他のシーンとは一線を画すためなのか、いきなり立体音響をたっぷり使ったエンドロールには驚いた。

でもそれ以上に他のシーンも含めて、夏の宵に灯る提灯が素敵な映画でした。
MinC

MinCの感想・評価

4.5
帰還困難区域となっている、福島県双葉町の盆唄。
ハワイ移民の子孫によって受け継がれていた、ちょっぴりファンキービートな盆唄との交流。岩根愛さんの360°カメラview。富山からやってきたご先祖様を辿る旅。味わい深いアニメもまじえ、時間距離、古今東西往き来する盆唄のはなし。
震災後何年も過ぎ、やっとやっと、有志が集まりいわきの仮設住宅で盆唄の共演開催!
笛も太鼓も新調し、準備と練習の活き活きとした表情にこちらも嬉しくなる。新しい命も授かり、また受け継がれていくであろう盆唄。人々の営みを見るだけでなく、一緒に踊ったり歌ったり太鼓叩いたり笛吹いたりしたい。

先祖の皆さま、震災で亡くなった皆さまへ、の声とともに暗闇に浮かぶラストのシークエンス、あの世みたいに幻想的で素晴らしかった。そうか、お盆はご先祖様がこの世に里帰りする季節だった。暗闇にボゥと灯る提灯とともに、あの世とこの世を往来する音に夢うつつ。
KS

KSの感想・評価

4.2
福島県双葉町の盆踊りカルチャーを遺すための映画。

富山から福島へやって来た盆踊りが200年前には移民によってハワイへ伝わっていたこと。
盆踊りを踊っているとある時トリップする感覚があるとか、ズレがグルーヴを生むなど、ゴスペルとの共通点があるだなと音楽が世界共通語なんだと改めて思った。

未来のミライで感じたカルチャーはあくまでも個人史があり、その連なり《メディア(テクノロジー)や状況(天災や移住など)》の中で変化して形作られてきた。そしてこれからもそうやって変化していくことを実際の史実を元に浮き彫りにしている点は、文化という言葉が持つ儚さや重みを感じた。
nejick

nejickの感想・評価

4.5
只の地域の行事だと思っていた盆踊りにも歴史が込められている。人が繋がって、過去から未来へ受け継がれていく。
終盤の祭りのシーンは興奮しきりだった。
この映画もラスト20分か。。

岩根さんの回るパノラマカメラ。
横山さんの部屋と音楽のルーツ。
黄色のRX-7
歌い継がれ残り続けていく土地と人の心。

望郷 郷土愛 歴史 反原発 国策の犠牲 と この作品で思うことは人それぞれだけど、
とにかく 観て良かった。

日本の音楽が好き。
生命賛歌的側面を噛み締めつつも、不謹慎で配慮に欠いた事を言わしてくださいよ。

帰還困難区域の風景にめっさ萌えました。
むかし福島からハワイへと出稼ぎに渡っていった人たちの物語ではじまる。祖国へのノスタルジーを盆唄に託し、歌い継いできたことで、原発事故によって居場所を失った唄の命が異国で生きながらえていた。「いつかこの盆唄を福島に返したい」という日系人の言葉は重いが希望ある思いだった。
Wonkavator

Wonkavatorの感想・評価

3.5
原発によって町民がバラバラに避難を余儀なくされ、故郷に帰れない。

たどり着いた慣れない街ではいわれのない差別と偏見のよそ者扱い。

そんな難民の皆様のDNAに刻まれた盆唄
太鼓のリズムと笛の音色

踊るトライブの原発国家への静かなる抗議
今年もまた3.11がやってきました。
もう8年になるんですね。

『ホテル・ハイビスカス』『ナビィの恋』の中江裕司監督が福島県双葉町を舞台にしたドキュメンタリーを作ったと聞いて劇場へ。中江監督といえば沖縄のイメージなんですけどね。中江監督の10年振りの作品らしいです。

この映画が撮影されたのは2015年ぐらい。避難区域になっていて町に戻れない人たちは散りちりになって生活している。

避難している人々はたまに故郷へ戻る。バリケードで入り口を封鎖されていて町に戻るには許可証がいる。時間制限もある。

戻った町は3.11から時間が止まっていて、壊れた家は壊れたまま、割れた道路は割れたまま、逃げたペットは野生と化して我が物顔で暮らしている。

”戻る”ということに関してみんな諦め気味で、もし住めるようになったとしたら戻りますか? という質問の答えも、”戻りたい派”と”戻らない派”が半々くらい。

そんな中でも、町に戻るのは難しいけれど、町に伝わる”盆踊り”だけは後世の人たちに伝えたい、という気持ちが町の有志たちにはあり。

そんなある日、ハワイの日系人社会で100年以上を歌い継がれている”フクシマオンド”というものがあるのを住人たちが耳にする。

”双葉町の盆唄”もハワイで踊ってもらおうと住人たちは行動に移すが…。

って流れ。

もちろん、抱えているものはそれぞれ大きくて、悩みもたくさんたくさんあるんだと思うけれど、町の人たちはとにかくパワフル。

途中。”双葉町の盆唄”のルーツが描かれるアニメーションが挿入されているんですが、そのアニメパートの声優さんがとても豪華なのも見所です。

実際に盆唄が歌われ、人々が踊るシーン。じわっときました。
ドキュメンタリーの力をじんわり感じるられる作品でした
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