Dick

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへのDickのレビュー・感想・評価

2.5
1. 初版2020.03.29

❶相性:消化不良。

➋映画には、途中から画面サイズが変わったり、黒白がカラーに変わったり、同じモノクロでも、黒白から赤や青に変わったり等々、色んなバリエーションがある。
他にも、突然音声や画像が消えたり? いや失礼、これはあっては困る設備トラブルでした(笑)。

➌本作では、途中から3Dに変わる。
①冒頭に以下が示される。
「本作は3D映画ではありませんが主人公と一緒に眼鏡をかけてください」
②それから1時間以上経ってから、タイトルが出る。そして、主人公のルオ・ホンウ(ホアン・ジエ)が映画館に入り、3Dメガネをかけるのに伴い、我々観客も3Dメガネをかける仕組みである。
③その後の1時間程の3Dシーンは、ワンカットで撮影されている。

❹公式サイトによる本作のあらすじは次の通りである:
「父の死を機に、12年ぶりに故郷・凱里へ戻って来た男。彼はその地で、マフィアに殺害された幼馴染みや、自分を捨てて養蜂家の男と駆け落ちした母親の記憶のかけらを拾い集めるように、思い出の街を彷徨っていた。そして何より彼の心を惑わせたのが、ある運命の女のイメージだった。その女は、自分の名前を香港の有名女優と同じ、ワン・チーウェンだと言った。男はその女の面影を追って、現実と記憶と夢が交錯する、ミステリアスな旅に出るー」。

❺しかし、ただ筋を追うだけでは本作の理解は困難である。
主人公の記憶をたどって描かれる本作は、現在の状況と過去の記憶が混在し、かつ、説明がない。だから、何が事実なのか?なにが幻想なのか?集中して、自身の想像力をフル稼働させないと、本筋が理解出来ない。
論理的思考を好む小生にとっては、苦手な範疇である。

❻結論:
①相性の悪い残念な作品だった。
②売り物のワンカット3Dについても、特長が理解出来なかった。その必要性があるとは思えなかった。
③しかし、内外で本作を高く評価する人は少なくない。これは相性の問題である。

❼お気に入りのセリフ
主人公:「映画と記憶の一番の違いは、映画は虚構で、場面を繋いで作っているが、記憶は突然、眼前に現れる。」

2. 追記2020.05.17

❶賞
①Tokyo FILMeX 2018:Winner:Student Jury Prize(Bi Gan)
②New Jersey International Festival 2019:Winner:Honorable Mention Best Feature Film(Bi Gan)
③International Online Cinema Awards (INOCA) 2019:Winner:Halfway Award:Best Picture(Bi Gan)、 Best Director (
Bi Gan)、Best Non-English Language Film(Bi Gan)、 Best Cinematography(David Chizallet、Jingsong Dong, Hung-i Yao)
④Golden Horse Film Festival 2018:Winner:Golden Horse Award:Best Cinematography(Hung-i Yao、Jingsong Dong、
David Chizallet)、Best Original Film Score(Giong Lim、Chih-Yuan Hsu)、Best Sound Effects(Danfeng Li、Zhonglin Si)

➋評価:
①Rotten Tomatoes:87件のレビューで、批評家支持率は93%、加重平均値は8.0/10。
②IMDb:5,149件のレビューで加重平均値は7.2/10。
③KINENOTE:73点/100点/63人
④Filmarks:3.6/5.0/680人


■原題「地球最后的夜晩/Diqiu zuihou de yewan/地球最後の夜」英題「Long Day's Journey into Night/夜へ向けての長日間の旅」
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