萩原みのりが出演している映画を観るのは『普通は走り出す』以来2回目。今回の役は子供っぽくてまさに「お嬢ちゃん」。萩原みのりのミステリアスな魅力を二ノ宮監督が上手に引き出していました。
とにかく登場人物の会話がのっけから面白い!!他愛もない会話の中にヘンテコなロジックが出てきて、でもそれが妙に納得出来ちゃったり。その人の生き方や考え方が会話に滲み出てくるから、キャラが立って見えて作品全体が魅力的に仕上がっている。
みのりが感じる苛立ちには共感する人も多いはず。なぜなら浅かれ深かれみんな心に闇を持っているから。その闇にウンザリして苛立ちながらも、人は歳を重ねるごとに自然と闇との付き合い方を習得していくんだと思う。その点、素直過ぎるみのりはまだ「お嬢ちゃん」なのかもしれない。
前作『枝葉のこと』では自叙伝的に監督自身の心の闇を描いていた。今作は性別も年齢も違うけど、ちゃんとみのりの気持ちに寄り添っていた。二ノ宮監督の次回作がまた楽しみになりました。