あんへる

惡の華のあんへるのレビュー・感想・評価

惡の華(2019年製作の映画)
3.8

“この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべての少年少女に捧げます。”



【絶望】がテーマの青春(変態)漫画。
原作は漫画史に残る大傑作だと思ってる。
そして、押見修造は天才だと思ってる。

初めて原作を読んだ時、あまりの面白さに衝撃を受け、それから狂ったように他の押見作品を読み漁った記憶がある。

正直、初めはクソムシ原作厨思考でボロクソに言う気満々だったが、いざ観終わってみれば褒め称えはすれど、貶す気には一切ならないクオリティの実写化だった。


率直に、よくぞここまで再現してくれたと個人的には称賛したい出来映え。

ただ、これはあくまで〈原作の再現度〉に対する評価である為、映画単体で考えた時果たしてどうなのか?と言うのが非常に難しい所。
原作に忠実なあまり、二時間程度の尺ではどうしてもダイジェスト感が否めない作りではある。
これは考え方次第で初見の人にとっては作品として致命的な欠陥と捉えられても仕方がない気もする。

加えて演出的にも割合原作寄りな為、実写にするとかなり現実離れと言うか、荒唐無稽な過剰演出と感じてしまう所もあるかもしれない。
特に物語前半の方はこれが顕著なため、この時点で気持ちが離れてしまう初見の方も多いのかもしれない。

そして唯一明確に残念と感じたポイントは、物語終盤の簡略化。
これも尺の問題で仕方がないのはわかるんだが、個人的にはここは丁寧に描いて欲しかった!
だってもう後半~終盤にかけて急にキ○グ○リムゾン発動しちゃうんだもん。w
高校編、常盤さん関連のあれこれが完全にすっ飛ばされてるじゃん。あれじゃあまりにも説明不足だと思う。
流石に常盤さんが可哀想だよ。


褒め称えるとか言っておいて、なんだかんだ否定的な事しか書いてない気がするんだが、、ここで見所を一つ、それは…


玉 城 テ ィ ナ が 可 愛 す ぎ る ッ ! ! ! ! ! !


ちょっとこの仲村さん可愛いすぎないっすか!?

この脳味噌グッチョグチョでドッロドロの変態クソムシまんじゅう野郎がッ!!って言われたい!貶されたい!蔑まれたい!ビンタされたい!!←洗脳済
そしてその笑顔、護りたい。←調教済

殺人級の可愛さとはこのこと。
正直、佐伯さん霞んどるわw
自分なら絶対仲村さんの体操着パクるわぁww(※犯罪です)


えー、そろそろ纏めます。
端的に言って、やっぱり原作は面白いってことです。w

最後の最後でまたしても原作厨的発言に辟易する気持ちはよくわかります。それは本当に申し訳ない限りなんですが、この映画を観た方、そして興味を持った方には是非とも読んでほしいです。

上映終了後、首を傾げながら席を立つ人もいれば、涙を流してる人もいました。
でもそのどちらも理解できる。そういうカオスな作品でもあるんです。
ちなみに一緒に観た原作未読の連れの(簡略化した)感想は、『よくわからん。解説求む。』でした。
だから原作読んで。読めばきっとわかるから。

結局は原作ファン向けと言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、でも実写化作品として見て、自分は好きですね。

ただ欲を言えば、どうせ忠実に実写化するなら連続ドラマなど、丁寧にじっくり作り込んでほしかった気持ちは少なからずあります。
関係ないけど、「I"s」の実写ドラマとか、完全な神実写だったからな~(流石にあそこまでのクオリティとは言わないが…)


余談ですが、仲村佐和のモデルは押見先生の奥さんらしいです。
あの独特のワードセンスも喧嘩したときの奥さんのものとか…(カッコよすぎるw)
更に主人公の春日高男のモデルは押見先生自身だとか。つまり…
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