カモノハシペリー

キングスマン:ファースト・エージェントのカモノハシペリーのレビュー・感想・評価

5.0
国にすら縛られない独自スパイ組織、キングスマン。その創設前夜に起きた悲しい出来事を主体に、オックスフォード卿が何故こんなにも過激な正義を遂行するのか、というところがしっかり描かれていて好感。わりとライトに殺戮していた1,2に比べ、3(時系列的には1か。)では意図的に重厚な死と生、悪と善について歴史の裏になぞらえて展開していた。実在の人物のif系を悪役に使ったのも斬新だし右と左のバランスを取る巨悪というのは初めてみた。

キングスマンの良いところは死ななそうな役が死ぬところ。予想が出来ないということの貴重さはシナリオ作りが格段に上がった現代映画においてかなり貴重で個人的にはこのままジャンジャンやって欲しい。ハリーみたいに何故か生き返るのも全然アリです。さらにアクションにおいて、まだ観たことないものを撮れるアイデアやギミック部分の面白さが最高。ストーリーものでありながら、伝統に対して創造と破壊を繰り返していて今後もとても楽しみ。そしてなんといってもユーモアのセンスがドンピシャに自分と合う。ちゃんと笑えるボケがツッコミ不在で気まずかったり、切なかったりしてそれを受け止める哀愁みたいなものが洗練されていてとても好きだ。