MrTomatohead

インソムニアのMrTomatoheadのネタバレレビュー・内容・結末

インソムニア(2002年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

む、むずい、、、。
アラスカの田舎町ナイトミュートで起きた少女が殺害された事件をロス市警からの応援でウィルドーマー刑事(アルパチーノ)とハップエッカート刑事がやってきた。
冒頭から説明なしで捜査が始まり、その過程でどうやら殺人事件で、被害者は17歳の少女で、と段々事件そのものが分かってくる仕掛けになってる。
さすがのロス市警の刑事による華麗なる捜査でたちどころに犯人を追い詰める形になり、霧のかかった川原でドーマー刑事は相棒のハップ刑事を誤射してしまう。とっさに隠蔽工作をしてしまい、この事件が二重の問題を抱えることになる。
同級生の彼氏や親友へのミスリードを経て、被害者の少女が尊敬する作家フィンチ(ロビンウィリアムス)へと辿り着く。
ところが、殺すつもりはなかった、ときた。

ドーマー刑事にしても、作家のフィンチにしても、とてつもないグレーゾーンに位置した、良心の呵責に苛まれたにも関わらず自分たちが犯した罪を隠した利己的な人間性が表れてる。
そしてどちらも、殺すつもりはないが多少の殺意はあった、とも考えられ、複雑さが極まる。
どっちとも言えないグレーな感じ、人間の深層心理にある"つい"の感覚を巧妙に捉えてる。

Insomnia(不眠症)というタイトルから、白夜という物理的なアプローチと相棒を誤射してしまったという精神的なアプローチによって、ドーマー刑事は不眠症に悩まされる。
霧というのも、不眠症やモヤモヤ感が表されてて察知しやすくなってる。

そしてドーマー刑事の隠蔽がフィンチにバレ、あろうことか、2人で協力してことなきを得ようとするという展開に!
しかしその中でドーマー刑事は改心し、フィンチとの対決に挑むことになる。
結果フィンチは死ぬが、それでいいのか、、、。
ドーマーは死んだのか、罪を償うのか、、、。

ラストはインセプション同様、"今だけ"眠りたい、なのか"永遠に"眠りたい、なのか。
この流れから言って"永遠"なんだが、どうも怪しいと思う。

人の発する言葉や行動には責任というものが発生するもんだ。
それをうやむやにして自分だけ助かるようなことをしていいのか。
人としての良心を持った者であれば、不眠症に悩まされることなく毎日快眠できるんじゃないの?

そんな風に捉えてる、、、。
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