カタパルトスープレックス

僕たちのラストステージのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)
3.8
映画愛に溢れるいい映画。チャップリンやキートンと同時期に活躍したローレル&ハーディの晩年を描いた作品です。

ローレル&ハーディは晩年まで金銭的には恵まれなかったそうです。チャップリンやキートンは独立して成功しましたが、ローレル&ハーディはハル・ローチからの独立に失敗して製作にも制約が出て人気に陰りが出てしまったのだそうです。成功も失敗ももちろん才能は必要ですが、それ以上に必要なのは「運」なんだと思います。

ローレル&ハーディは富を築くことはできませんでしたが、友情を築くことができました。ずっと仲の良いコンビだったんですって。それがこの映画でもひしひしと伝わってきます。

映画を題材とした映画は「長回し」が多いのですが、この映画もその例に漏れません。なぜ長回しが多いのか?それは映画スタジオのセットを全部見せたいから。トリュフォーの『アメリカの夜』もそうだし、この作品もそう。冒頭の長回しは映画愛に溢れています。

この映画は歴史に残る大傑作ではないけれど、心温まるドラマです。ボクはハートウォーミングな作品は苦手なのですが、この作品だけは例外。なぜなら、映画愛に溢れているから。