KUBO

僕たちのラストステージのKUBOのレビュー・感想・評価

僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)
3.8
4月3本目の試写会は「僕たちのラストステージ」。

ほぼノーチェックだったのだが、思いのほか良い映画で、とてもホッコリした気持ちになった。

「ローレル&ハーディ」という1930年代〜50年代に活躍したアメリカのお笑いコンビの実話に基づくお話。チャプリンやキートンと同じ時代に映画に150本以上出演した売れっ子だったらしいのだが、さすがに知らない。かつて売れっ子だった2人が、晩年、イギリスへツアーに出た時の話がメインとなる。

劇中に度々出てくる彼らのコントは、日本で言えばドリフターズというか、コント55号みたいなドタバタコント。もしこれがそういうよく知っているコントだったら、再現度だけでももっと笑えたんだろうな。そういう意味では日本人は本作を鑑賞するスタートラインが違う気もする。

ただ、そういう笑いの要素は表面的には当然本作の売りではあるのだが、本当の良さは長年連れそったコンビの心の絆、タイプは違えどそれぞれに夫を支える妻の思いなど、心に訴える人間ドラマにある。だから全然知らないお笑いコンビの、知らないからゲラゲラ笑うほど笑えないギャグを見ながら、最後には涙が出るほど感動しちゃったりする。

いい映画だったなぁ。私自身ももうすぐ定年に近い年齢だからか、長年のキャリアに幕を下ろすふたりの男のドラマに胸を打たれた。いっしょに見てた若者も泣いてたから年齢は問わず感動できるみたい。地味なタイトルだけど、いい映画だよ。オススメ!
KUBO

KUBO