ゆめちん

僕たちのラストステージのゆめちんのレビュー・感想・評価

僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)
3.5
僕たちのラストステージ

肩の力を抜いて鑑賞でき、観終わった後に "暖かい気持ちになる" そんな作品でした。

サイレント映画時代からハリウッドで活躍した伝説のお笑いコンビ "ローレル&ハーディ" の実話を基に、その晩年を描いたヒューマンコメディ。

"ローレル&ハーディ" という名前くらいしか知りませんでしたが、日本でも "極楽コンビ" の愛称で親まれ、その愛くるしい容姿や表情で老若男女の心を掴んできたのがスクリーンから伝わり、実際の二人の作品も鑑賞したくなりました。

冒頭の長回しワンカットが印象的。控室を出て様々な人やモノが行き交うスタジオ内を颯爽と歩く二人、当時の古き良き撮影現場の雰囲気と相まって、これから始まる作品への期待が膨らむようなワクワクするシーンでした。

小柄で痩せているローレルと、大柄で太っているハーディ、そんな対照的な二人を "スティーヴ・クーガン" と "ジョン・C・ライリー"が見事に演じ、特殊メイクで本人そっくりに似せているだけでなく、ちょっとした目の動きや仕草、コントの動きやダンスなどを完璧に演じ、役作りをする上で相当努力されたのが伺えます。

"やっぱり、きみだ" のキャッチコピー、そこに至るまでに様々な経験を積んだ二人、いい時も悪い時も共に歩み信頼関係を築き上げてきた歴史の重さを実感し、代役の利かない唯一無二な存在に気付く過程が丁寧に描かれ、そういう二人の関係が羨ましく思えます。

最後のラストステージの演出は胸にグッとくるものがあり、二人のステップに合わせた、劇場に響く観客の手拍子が今も心に残ります。

それにしても、奥さんコンビの濃いキャラが際立っていましたね〜とても強烈でした😅
ゆめちん

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