さすらいの旅人

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

4.2
アメリカの良心が詰まったロードムービー。Amazon Prime 配信視聴。

この映画は運よく見つけた宝石のような映画だ。
PRコピー「この10年で最も愛すべき映画!」もまんざら嘘でもない。
ダウン症の青年物語なので、可哀そうな難病映画と思っていたが、とんでもない大冒険ドラマであった。そして自由度と言うか開放感を感じるシナリオと映像は素晴らしかった。

青年を含む2人の男と1人の女のロードムービーは最高のシュチュエーションだ。男二人は追われる身であり、最初は不信持っていた女が徐々に仲間に加わる過程は、シンプルではあるが家族のような愛情を感じた。この人間的優しさと思いやりが感動を呼ぶ。

その旅程はアメリカ東南部の雄大な海や荒れた土地や家を舞台にしている。なぜか懐かしいその風景はこの映画の見所でもある。また、3人の乗るイカダは新天地を求める開拓時代の象徴みたいで夢があった。一匹の魚を三人で分け合うシーンは微笑ましくて切ない。

後半は青年の夢の実現へと向かって行く姿が描かれる。それは王道的なオーソドックスな描写で描かれる。しかし、ラストに観てのお楽しみであるがある仕掛けが用意されている。これについては賛否両論であるかも知れないが、私は「夢」の実現としては良かったと思う。

出演俳優はダウン症の青年役はザック・ゴッツァーゲン、それを支える男女としてシャイヤ・ラブーフやダコタ・ジョンソン等のスター使ったキャスティングは豪華だ。この3人の結びつきが自然であり、かつ家族的気分になって行くので、途中で応援したくなる。
なんか幸せな気分にさせてくれる映画であった。良作。