BOB

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのBOBのレビュー・感想・評価

3.8
タイラー・ニルソン&マイク・シュワルツ監督コンビが、映画スターを夢見る青年ザック・ゴツァーゲンに出会ったことから生まれた作品。

"Friends are the family you choose."

現代版『ハックルベリー・フィンの冒険』とでも言うべき、笑いあり涙ありの心温まるアドベンチャードラマ。

プロレスラーを夢見て高齢者施設を脱走したダウン症の若者ザック、同業他者と揉め事を起こして逃走中の漁師タイラー、ザックを連れ戻そうとする養護施設の看護師エレノア。家族を失った孤独を抱える3人の若者が、ジョージアからマイアミまで旅を共にする疑似家族ドラマ。

22歳、立派な成人であるダウン症の若者ザックに対して、どう接するのが本人のためかを考えさせる作品。一人の人間として別け隔てなく対等に接するタイラーと、(職務上仕方がない部分があるとはいえ)、ダウン症患者だからと下に見て、1から10まで面倒をみようとする養護施設の職員達の対比があった。エレノアが2人と旅を共にする決断をしたのは、タイラーの主張にハッとさせられたからでもあるだろう。

夢に向かって突き進むザックのポジティブなエネルギーが、周囲の人間に伝播していく。ザックは、正しく"ヒーロー"だった。恐怖に立ち向かう勇気を教えてくれた。

身寄りのないダウン症の青年が、高齢者施設に"収容"されているという事実に驚いた。

伝説のプロレスラー"ソルトウォーター"役は、『サイドウェイ』や『スパイダーマン』サンドマン役のトーマス・ヘイデン・チャーチ。

"What's rule number one?"
"Party."

"Tyler, I am going to give you all of my wishes for my birthday."

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