命を危険にさらすとわかりながらも、
捨てきれぬロデオへの想い。
事故で大怪我を負ったカウボーイは、
後遺症による恐怖と葛藤しながら、
新たに生きる意味を探す。
公開中の“ノマドランド”のクロエ・ジャオ監督作品の本作が、
Netflixで配信中だったのも知らず、
2021年4月6日で配信終了だという事とで慌てて鑑賞。
本作は長編2作目みたいです。
ストーリーは、
大怪我をしたカウボーイが自身の生きる意味を探す話で、
出演するブレイディ・ジャンドローの実話がベースになっている。
ノンフィクションが7割で3割はフィクションらしい。
初めて見る俳優さんかと思いきや、
モデルとなるカウボーイを本人自身が演じており、
父と自閉症の妹を含む、
登場人物は全て当人たちが実名のまま演じている。
クリント・イーストウッド監督の“15時17分、パリ行き”と同じであるが、
本作の方が本人キャストで成功だと思う。
ロデオに夢を抱くカウボーイに焦点を当てており、
とくにドラマチックな展開があるわけでもなく、
とても静かで淡々と進んでいく。
役者でもないブレイディ・ジャンドローだが、
彼の感情を抑えた演技が見事。
最後の決断まで心の中の葛藤が丁寧に描かれている。
馬は走れなくなると安楽死されるが、
人間は目的を失っても生き続ける。
クロエ・ジャオ監督の最新作でもある、
マーベル映画の“エターナルズ”も楽しみである。