ゆきゆき

ザ・ライダーのゆきゆきのレビュー・感想・評価

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
3.6
クロエ・ジャオ監督が描く、1人のカウボーイの人生の喪失とその後の物語。

劇中の出来事はほぼ実話であり、主演を務めるのも事故の当事者の青年であるという演出方法は、『ノマドランド』を見ていなかったら信じられなかっただろう。演技未経験ではあるが本人であるが故の感情の機微がひしひしと伝わってくる。暴れ馬と悪戦苦闘しながら次第に心を通わせていくシーンは、本職の調教師だからこそのものだと思う。青年を見守る家族や周囲の人々も実際の人物が演じてるからこその温かみを随所に感じる。

これがドキュメンタリーではなく劇映画である理由。うまく説明できないが、主人公が夕暮れの草原を馬に乗って駆けるシーン。その部分の美しさは劇映画ならではのものだと思う。
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