バルバワ

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~のバルバワのレビュー・感想・評価

4.1
コロナのせいで我が家に発令された映画禁止法、略して禁映法の罰則が更に厳しくなったのでしばらく隠れシネシタンは沈黙せざる得なくなりました…クッソォ!コロナよ!"蔓延"してないで30"万円"よこせ!

いやぁ…声優さんの底力!

あらすじはひろしとみさえは遅れた新婚旅行として格安オーストラリアツアーへ行くことになった野原一家。だが、現地でひろしが色々遭って拐われてしまい、みさえは救出に向かう!…的な感じです。

【大好きなクレヨンしんちゃん】
私は小さい頃から、父親の本棚から漫画を拝借していました。《鉄腕アトム》や《落第忍者乱太郎》…そして、一番のお気に入りは《クレヨンしんちゃん》。アニメにも夢中になり毎週金曜日、野原一家のドタバタを足をパタパタさせ笑って見ていました。作品自体と大きくなり、血となり肉となっているようにも思え、スペシャルや新作映画は必ず追うようにしていた《クレヨンしんちゃん》。
しかし、野原一家のしんのすけとひろしの声優さん(矢島晶子さんと藤原啓治さん)が降板したことにより過去作はさておき、新作アニメ、映画は自ずと観なくなり、もう、しんのすけとひろしはいなくなってしまった…と思う程でした。
しかし、声優さんが代わっても、新作アニメや映画は作られ続けます。CMで流れる声を気にし続ける毎日。今作の予告なんて『マッド・マックス 怒りのデスロード』っぽいし実際かなり気になっていたんですよ…。

【楽しーい!】
いざ、観てみると(『マッド・マックス 怒りのデスロード』+『インディ・ジョーンズ』+『キングコング』+『ミッドサマー』)÷クレヨンしんちゃんという…カレーにハンバーグと唐揚げと半熟卵をのせてチーズをまぶしたみたいな感じでキライになるわけがないッ!ただ、非常に楽しいシーンが満載のに対して視点が割と定点なことが多く、もうちょっとダイナミックなカメラワークを思わせるような画が欲しかったりしました。

【しんちゃんは脇役】
今作はクレヨンしんちゃんギャグはきちんと担保されてはいるものの、メインはみさえとひろしの話ですので、しんちゃんは脇にまわってます。しかし、しんちゃんが比較的に活躍をしなくなったことでしんちゃんという奇想天外な5歳児が等身大の5歳児に観えたのですよ。特にみさえが1人で敵陣に乗り込む決意を固めた際に「オラが母ちゃんをお守りするゾ!」というシーンは結構涙腺を刺激されました。

【主役はみさえ、宝はひろし】
今までのクレヨンしんちゃん映画(私が観た中ではですが)の中ではみさえは基本的に物語に対して受け身の立場であることが多いのですが、今作は自分で物語を切り開いていく、それが全てひろしの為というのが泣けるじゃあないですか。なんかみさえがメインの映画もっと作れば良いのにとか思いました。

【試され、揺さぶられる】
作中、インディ・ジュン子という映画オリジナルキャラがみさえ達と行動を共にするのですが、彼女は家庭に収まったみさえに対して、自由に身一つで人生を謳歌しているカウンター的な存在で何度も「何故、ひろしに拘るのか。」という問いかけをしてきます。それに対してのみさえの回答がグッとくるんですよ、夫婦という元々他人の二人が互いの人生においてかけがえのない存在になるということの良い面を観たように思えます。

【シスターフッド】
また前述した映画オリジナルキャラのインディ・ジュンコとみさえのバディ感が好きですね。最初はケンカばかりの二人がお互いを知り、少しずつコンビネーションを高めていき、認め合い、最後は気の利いたやり取り…最高じゃないですか!アリガトウゴザイマシマー(꒪⊿꒪)

【全く違和感なし】
冒頭で申し上げたしんのすけとひろしの声優さん降板があり、敬遠していたクレヨンしんちゃん…蓋を開ければ全っ然気にならなかったです。しんちゃんとひろしの出番が比較的少なめでメインがみさえということは多少あるでしょうが、新しいしんのすけ役の小林由美子さんとひろし役の森川智之さんの豊富な経験と演技力が素晴らしい!ちゃんと、画面の中にしんのすけとひろしがいました。

【最後に】
私のように声優さんの交代でクレヨンしんちゃんを遠ざけていた方々には是非とも観ていただきたい!
こんな緊急事態だからこそ、野原一家にドッカンドッカン笑わせてもらいましょう!
バルバワ

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