コロナ自粛のなかで行われる新入社員研修。日々の疲れを癒すためにも、ふと思い立ってレンタルした作品。昨年公開のクレヨンしんちゃん劇場版第27作。
先日、癌のため55歳という若さで亡くなった声優・藤原啓治さん。2016年から、彼の１番のはまり役であった野原ひろしを、現在は同じく声優の森川智之さんが演じてられています。更には2018年。野原しんのすけ役を約25年に渡って演じられた矢島晶子さんが、突然の降板。現在はシロ役をも務める小林由美子さんが、２代目しんのすけとして活躍されています。そんなオリジナルメンバーの降板がここ最近になって相次いでいますが、本作はキャスト新体制として初の劇場版です。
みさえの機転により、オーストラリアに初めての新婚旅行に行くことになった野原一家。そこでひろしのある行動が、みさえの逆麟に触れてしまう。しかし、それはみさえの勘違いだったことがわかり、二人は和解しあおうとするも、ひろしは何者かに誘拐されてしまう。
クレしん映画では、2015年の『引越し物語』以来の海外が舞台だが、内容は全く異なる。前者はメキシコを舞台としたパニックものとしての側面が強いが、後者はひろしを巡る冒険活劇と夫婦愛を力強く描いています。また、恐らく最もみさえという人間にフィーチャーした作品でもあります。
また面白いことに、従来のアクション・冒険映画の名作を彷彿とさせる展開もありますよ。例を挙げると、『マッドマックスFR』『インディ・ジョーンズ2』『リメンバー・ミー』などなど。特に『マッドマックス』は露骨なので、V8！V8！と叫び合った経験のある人は爆笑ものかもしれません。
しかしながら、みさえの物語、映画ファン必見のパロディなど、見応え抜群！……とも言い切れないのが本作の欠点です。
本作のキーパーソンであるインディ・ジュンコ以外のトレジャーハンターは影が薄いし、キャラの掘り下げがほぼ無いので、記号的キャラにしか成り得ていません。また悪役の背景も見えてこず、なんとも印象の薄すぎるキャラクターが多かったように思います。
また、クライマックスに登場する、ひろしの新しい嫁の正体には絶句しましたよ。スケールの大きさは良いとしても、あまりに唐突すぎて……。しかし、ここでのひろしとみさえのラブラブファイヤー、久々の鼻血表現は良かったです。
あるサイトでは「ロボとーちゃん以来の名作！」とか言われてたので、ちょっと期待しすぎたかも。やっぱり最近の作品では、ロボとーちゃんが面白いです。
