「壁ドンってなんなんですか?」
主演俳優の疑問がもたらした撮影現場の混乱。しかし、カメラは止められない!映画愛の暴走を描いたスプラッターコメディ!
……とまぁ、概要を説明すると、70-80年代ホラーへオマージュを捧げたコメディってことになるのですが、実は一筋縄ではいかないかなりの問題作でして。
昔のホラーは“ツギハギ”だったことを盾にして、様々なジャンルのごった煮映画に仕上げつつ、こっそり猛毒を仕込んでいる作品です。
実は、中盤に少し嫌いになりかけたんですよ、この作品を。
“ツギハギ”を言い訳にして、ノリだけでテキトーに作ってるように思えて。
でも、違いました。
登場人物たちの死に様にもそれぞれ意味があったんです。
つまり、主人公の映画愛の暴走を利用して、日本映画界の現状に作り手たちが中指を立てている映画で。
もちろん私たち観客に対しても。
いやぁ、なかなか野心的で挑発的な映画じゃないですか!
わたくし気に入りました。
カーペンターの『マウス・オブ・マッドネス』を観た後のような目眩を味わえる本作をオススメします!
ただし、かなりグロいので、苦手な方はお気をつけください。
※2016年TSUTAYA CINEMA PROGRAM にて準グランプリに選ばれた企画。脚本が書かれたのはその後ですが、『カメラを止めるな!』の便乗企画ではありません。念のため。