みりお

ディープ・ブルーのみりおのレビュー・感想・評価

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)
3.9
皆さまメグちゃんに沸き立っている中、観られない時間が続いているので、ついサメ映画を観てしまった♫

うわあああああ。
OPの船のシーンだけでテンションが上がる!
初めてジョーズを観たときに恐れおののき、それなりに色んなサメ映画を観ましたが、唯一ジョーズを超えたと感じさせてくれた作品✨✨
初めて観たのは劇場だったなぁ〜💕
久々の鑑賞です🦈🦈🦈

【ストーリー】は至ってシンプル。
アルツハイマーを治す薬の研究のために、海に浮かぶ海軍の元修理施設を改造してサメの脳を研究するチーム。
研究の成功に沸き立つのも束の間、盟約に違反して遺伝子操作を施されたサメが知能を持ち、嵐に乗じて施設を破壊。
人間たちを追い詰めていくのだが、なぜ彼等はここまで執拗に人間を追い詰めるのか…というもの。

自由が利かない空間(水の中)、圧倒的に強く、その世界に長けた生物、閉鎖された施設で追い詰められて…。
こんなの映画の題材として面白くないわけない。
ただその相手が例えばエイリアンだと現実離れ感が強い。
だがそれがサメになった瞬間、ストーリーはやけに現実味を帯びてくる。
しかもその相手が知能を持ったサメだなんて!
設定が斬新にもかかわらず、B級サメ映画のようにサメがゾンビだったり、恐竜だったり、挙げ句の果てには空から降って来たりと、あまりに現実味がないことではない。
現実にありえるんじゃないか…と思わせてしまうのが本作の魅力。

あとはキャラクターも本当に魅力的。
パニックが起こる前の短い時間にそれぞれのキャラクターや、生い立ちを簡潔に描き切り、ましてや豪華キャストを置いていることで、本当に感情移入してしまう。
カーター(トーマス・ジェーン)の、悪い人になりきれない、でも世を蔑むようなヒーローっぷりもたまらないし、実験のためにサメを捕まえて実験室に上がってくるシーンなんか何度観ても「んんんんんんん😍」ってくらいカッコいい。
プリーチャー(LL・クール・J)のインコとの掛け合いがたまらないし、一瞬ひょうきんものなんだけど、サメとの闘い方は誰よりもカッコいい。
ラッセル社長(サミュエル・L・ジャクソン)は言わずもがな。人生の成功者でありながら、過去雪山で遭難した際の経験を活かし、メンバーに大きな教訓を遺していく。「自然は過酷だが、人間は残酷だ。力を合わせろ」と。サミュエル・ジャクソンほどの名優が言うと重たいんだ、その言葉が。

そして内包されるテーマも深い。
テーマについては若干ネタバレに繋がるので下に…。
その前に全体の感想としては、ともかく面白い!!
ここまで知能が発達したサメを、血の匂いだけでそんなに惹きつけられますかね?とか荒い部分ももちろん多いんですよ?
でも好きだなぁ、この作品♡
週末レンタルに乗っかって、2作目も観て見ようかと思います♫






**以下、ネタバレ**
本作はモンスターパニックとして位置付けられているものの、1番のテーマは贖罪。
ジュラシックワールドにも通ずるところがあるが、人間のエゴへの警笛だ。
改造され、生み出された生物たちであっても、生きている以上自由を求める。
しかもこのサメたちは、盟約違反により本来取ってはいけない手段で生み出された生き物たちだが、その盟約違反はサメたちの責任ではない。
他の生き物を襲うからといって、本来彼等が生きる場所、「Deep Blue Sea」を求めることを阻止する理由は本当は人間にはないはず。

そのために本作の登場人物に求められているのは贖罪だ。
エゴで生み出した生物の自由を、それでも奪うのならば、責任を取って大切なものを差し出しなさい、と。
その結果ほぼ全ての人たちが命を奪われた。
それを裏付ける理由が、生き残ったカーターとプリーチャーだ。彼等はアクアティカにいながらも、仕事はサメの飼育係と料理番。いわゆる実験には関わっていない人々だ。
エゴによりサメの改造を図っていた研究者たちは命を奪われた。
特に盟約違反と知りながら実験を進めていたスーザン(サフロン・バロウズ)の死は自己犠牲による自発的なものに等しい。
ここに贖罪が描かれているのだ。
エゴによる被害は自己犠牲により償いなさい、と。
これはキリスト教感なのだろうか。
プリーチャーが終始神を周囲に感じていることから、本作において宗教が大きなキーワードであることは間違いない。
また生き残った2人も、生きるためとはいえ他の命を奪った代わりに、同じ右足に傷を負う。
何かしらの意味があるのだろうか。
だがいかんせん私の勉強不足。宗教に詳しくないことから、どんな宗教観に則って本作が訴えかけているのかがわからない。
あとは少し解説を読んでみようかな。
もしわかる方いたら教えてください♫
みりお

みりお