すみすけ

ブルーアワーにぶっ飛ばすのすみすけのレビュー・感想・評価

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
4.4
どこまでが演技なのか分からない夏帆さんの感情が、箱田監督とシム・ウンギョンさんに触発されて、露わになっていく姿の素敵なこと。

20代前半までだったら、希望の夜明けだったであろう、陽が照らされることの約束された世界が、年を重ねるにつれ、終わりが間近に迫っているような窮屈な世界に感じられてくる。

実家の描き方が秀逸で、身近であるが故に理解できないもののように感じる存在へとアプローチしていく様子が、生と死とその狭間にある老いとを的確に捉えていて、ある意味ロードムービーとしての王道をぶっ飛ばしています。

パンキッシュで若干デスメタルも入ったような「犬のおまわりさん」と、松崎ナオさんのエンディングも、旅の始まりと終わりのアクセントとして効いていて爽快です。

最低でも二回は観て、じっくりと味わいたい作品でした。
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