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ジャネットのTOTのレビュー・感想・評価

ジャネット(2017年製作の映画)
4.1
演者と音楽と舞踏。
互いに縛られないそれらを、見上げる空と足が踏む土地だけが、いま観るものとして画面に繋ぎとめる奇妙なミュージカル。
興奮でも新しさでもなく、少しのフックはあれど自分のものにならない、純粋さが美しい。
1425年の物語を演者の仕草が現代的に見せる。
様々な映画的な運動に目があちこちする中で、台詞で語られる救国の願いは比較的背景に追いやられ、ダンスを通じた神との対話、自我の確立、土地との愛着と別れといった要素の方が前面に感じられる。
ヘヴィメタ、ポップ、エレクトロetcな音楽に乗せた創作ダンスミュージカルwith羊、たまにヘドバンの恍惚。
台詞を語る硬い表情、ダンスの切実な身体性、クスッと笑う表層のユニークさとか、いくらでも語れる。
とりあえず私は魔法的な羊と馬の尻を語りたいです。

カイエ・デュ・シネマ週間
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