ユーロスペースでかかっていた現代フランス映画の特集上映にて鑑賞。思春期を迎えたヴァンサン。母マリーから愛情深く育てられた彼は父が誰なのか知らずにいたが、ある日冷血で皮肉屋の編集者オスカー・ポルムノールであることが判明する。ヴァンサンは父への復讐を試みるが、父の弟で一風変わったジョゼフという男と出会い…。
という感じのヒューマンドラマなのだけれど、登場人物の名前が示唆的だし、旧約聖書の「イサクの犠牲」を描いた絵画が印象的に出てくるから、キリスト教圏の人ならストーリー展開はなんとなく予想がつくのかも、オチとかは特に。自分の備忘録として書いておくと、マリーはマリア、ジョゼフはヨセフ、ということは…。
キリスト教が身に染みていない自分が観ても、そういわれれば納得かな。しかし、神の存在を信じるかどうかはともかくして、人にとって良さそうなことを多くの人に伝えるには、キリスト教という共通認識を使うことが、やはり有効なのかもしれない。
ラストのオスカー・ポルムノールの心情って、キリスト教的なことが影響しているのかしらという疑問はあるものの、人として納得ではあるかな。
●物語:3.5
・自分の想像力がまだまだ足りないのかもしれない。
●他 :4.0
・静かな雰囲気だった気がするけれど、まずまず印象に残る場面も。