けーはち

世界でいちばん悲しいオーディションのけーはちのレビュー・感想・評価

3.5
アイドル事務所WACKのオーディションに密着したドキュメンタリー映画。

本作によるとWACK所属のアイドルオーディションは1週間程度の合宿でニコ生を用いてリアルタイム中継し、視聴者の投票を加味しふるいにかけていくそうだ(昔のモー娘。の頃はオーディションをTV番組でやったね)。スポーツでも何でも若者が青春を捧げ苛酷な闘いに身を投じ泣き笑いする姿はいい画になる。見目の良い若い女でアイドルの座を賭けての勝ち抜き戦というのはなおさら撮れ高がある。「食事を残すと減点」と言われご飯に激辛のデスソースを投入され、逆に追加でデスソースをかければポイントが貰えると自ら率先して大量にかけ、チキンレースの結果バタバタと倒れて行く少女たちの理不尽。現代の見世物小屋。それでも自分が愛され承認される栄光の座を欲しがるその姿はアイドル=人工的に創られた偶像の座を得るための、ハイティーン少女たちによる人工的な地獄絵図であり美しくも無惨。