マクガフィン

サムライマラソンのマクガフィンのレビュー・感想・評価

サムライマラソン(2019年製作の映画)
2.6
冒頭の如何にもB級テイストを予告させるような描写に心躍らされるが、全く見当違いなことは如何なものか。原作未読。

喜劇要素が薄く、コミカルは空回りし、テンポも悪く、無駄に綺麗な背景、ズレたシリアスな演出で、チグハグ感が多く、統一感が無い演出に終始する。

豪華な役者たちの配置で集中力は切れなかったが、最後までキャラが定まらない森山未來、眉間に皺を寄せることに終始する前半の小松菜奈、竹中直人のテイストもキャラも崩壊する大仰ギャグ、殆どセリフが無い門脇麦など、役者の演出の下手さに飽きれる。

各々の思いを込めて走り、「行きはマラソン、帰りは戦」のキャッチコピー同様な展開だが、狙われた城に戻るために競争としてのマラソンは終わったと思いきや、何故か続くことに。クドイ演出も多い。また、金と名誉+褒美の葛藤をする足軽も宙ぶらりんで、各々の心情の解放も殆ど感じない。

そんな中でも、作品を引き締めたのは、主演の佐藤健の演技力と、微妙にゾワゾワさせ続ける背景音に尽きる。背景音は内容同様に肩透かしだが、一応引っ張り続ける原因にも。

ラストに日本のマラソンランナーが写真で紹介されて、現在までの繋がりを表すのだが、野口みずきがいないのは何故?