みとも

国家が破産する日のみとものレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
-
 通貨危機を予知して金儲けに成功しながらも自分自身を哄笑している投資家は『バーニング』のユ・アイン。韓国銀行のキム・ヘスの部下の一人(メガネかけてる女性)パク・チンジュは『サニー』でめっちゃ口汚いの罵り合いの口喧嘩が大得意のあの子ですよ!あのイメージと正反対なので全く役者って大したものです。90's韓国社会がモンタージュされたオープニングに始まってちょいちょい挟まれる時代感、壁紙が深緑の古いパソコン(モロにWindows95)に良いね!となりつつ、いやーやっぱポリティカル・サスペンスは面白いなと感じるのは、そうした政治や経済、社会問題といった内容に関心があるというよりも、ピカピカの革靴にパリっとしたスーツを着た人たちが横一列に廊下歩いたり、緊張感で張り詰めた会議中にFAXが届いてザワザワして耳打ちし合ったりしてるといった描写、映像そのものが実に”映画的”だからなのです……まぁここまで来るとわたしのフェティシズムというか性癖ですけど。もう会社とか役所の外観がドーンって映るだけで”来る”よね。最後まで息をもつかせぬ展開で面白かったけれど、あそことあそこが繋がってオッパとヨドンセンだったのは正直余計だったとは思う(むしろそれまで描いてきたことが矮小化されちゃってない?)。でもまぁラストのキム・ヘスのあのセリフがかっこいいのでオッケーです。
みとも

みとも