スキピオ

国家が破産する日のスキピオのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.0

<破滅に向けて一直線、爽快感無しのドロドロジェットコースターにライド!>

”危機は繰り返す。爆発が目前に迫っていても誰も直視しない。“

アジア通貨危機において、韓国がIMF管理下に”堕ちる”までの残り1週間を描いた作品。政府や韓国銀行は薄々気づいていながら国民には知らせず、何も手を打たず、大企業ばかりを守ろうとする。

主人公らによって何度か傷口を最小限に抑えるチャンスはあったが、基本的にはあらすじと歴史的事実の通り「バッドエンド確定の破滅へのジェットコースター、かといって爽快感無し」という感じで、淡々と経済用語や政治的駆け引きが飛び交い、キリキリとストレスが溜まるばかりの映画で、そういう渋く後味の悪いのが嫌いじゃない人におすすめ。映画館じゃないと集中できんぞ、これは。

IMFが乗り込んできてからの息も絶え絶えの韓国に容赦なく要求を突きつけるくだりは、諸説あるものの、我々アジア人は、欧米人に根源的には一線を引くべきだなと思わせられるもので、一見の価値がある。

日本人だって「爆発」するまで何もしなかったことがあったように他人事じゃない。