まめまめちゃん

国家が破産する日のまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.0
1997年韓国。アジア近辺諸国の通貨危機をきっかけとした国家破産の寸前に、政府、金融コンサルタント、町工場の経営者はどう動いたのか。その三者の目線で国家の危機を描く実話ベースの物語。

偶然にも2020年1本目。
韓国人俳優はあまり知らないのだけどキム・ヘスが出てれば見たい私。銀行を後にする際に兄と対峙するその横向きの姿勢がとても悲しくも美しかったです。金融コンサルタント役ユ・アインの「ベテラン」テオ役は忘れられません(「バーニング劇場版」は未観賞)。財務省次官役のチョ・ウジン(インサイダーズでも嫌な役でしたね)など他にも見たことのあるバイプレイヤーさん方何人も出演されてました。そしてIMFの交渉人役ヴァンサン・カッセル…憎まれ役がこの上なく美しくカッコ良く素晴らしく似合う!お正月のうららかな晴天というお日柄、お客さん結構入ってました。40〜60代と思われる男性多し。

こんなにも政治とは見栄と建前と保身に満ちていて、国民とはそのほんのお飾りだったり道具だったりに過ぎないものかと。さらに国民は踏み台にされ、捨てられていくのです。日本の一国民である私も、日本の政治家たちによって同じ目に遭ってきているのでしょう。他所の国の映画にバカにされているようで、冷静でいられなかったです。
与えられた仕事を愚直にこなすだけではダメだといつも思うようにはしてますが、さらに重要なことをラストにメッセージとして打ち出してくる硬派な本作。年の初めの目標を掲げるに相応しい1本となりました。

今年もどうぞよろしくお願い致します。