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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのAPのレビュー・感想・評価

3.3
第一次世界大戦って後の大戦と比較するとそこまで取り上げられてない。そんな中で貴重なドキュメンタリー映画発見。最新作"1917"に向けての情報収集。

第一次世界大戦全体を広く浅く取り上げたものではなくて、西部戦線の最前線を中心に展開されるお話でした。

戦時中の映像と退役軍人の音声によって、当時の状況や精神状態を細かく知ることができる。やっぱり怖いし目を覆いたくなる映像もありますが、良いお勉強になると思います。

以下印象に残ったところ雑感
・祖国のために、男として、何がなんでも戦いたいという意志。そうでなければ腰抜けとされる時代(埼玉のために戦うのとは訳が違う笑)
・年齢を誤魔化して志願するのも当たり前、全員誇りを持って志願している("ハリポタ 炎のゴブレット"とは訳が違う笑)
・銃剣で両肩と胸腹を狙う訓練。重装備での気の遠くなる行進、運動会の行進練習ですら嫌いだったので理解できない
・戦地で砲撃音が聞こえ胸が躍る兵士。
・あまりにも辛すぎるトイレ事情、凍傷・ぬかるみとの戦い
・だんだん戦況に興味はなくなり仲間との絆が大切になる?
・娯楽は付き物、焼菓子でラグビー、薄いビール、タバコ、ギャンブルなど
・輸送のために即席で機関車と線路を作る
・大砲の発射で周囲が大きく揺れる、屋根から瓦のようなものが落ちまくるレベル
・銃撃戦になっても飛んでいるものが弾丸だと分からなかった、ただ何かが飛んでると思った
・320台の秘密兵器戦車(当時まだ戦車というものは公に使われていなかった)
・命令を下せる者がいなくなる状況
・運良く隠れても仲間の死を見ることになる。仲間の死にも慣れる。
・そのまま土へ返すのは耐え難い、仲間はしっかりと埋葬してあげる
・戦争の激化に伴い、敵への同情心が芽生えた
・1918/11/11に終戦もその後どうしたらいいか分からない。気が抜けてしまった
・生き抜いて帰っても感謝されないし、そもそも皆戦争に興味ない、無意味なものだった
・「どこへ行ってたんだ」と言われる始末
・イギリス人の紅茶への執着心、死体の浸かった水や銃の冷却水でも煮沸して飲む
・「パパは戦争でどんな活躍をしたの」と書かれたポスター

この映画だけじゃまだ物足りんからもうちょっと背景や概要を調べてから"1917"に挑みたい。
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