カリオット

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのカリオットのレビュー・感想・評価

4.0
1917が公開中なので、予習の為に先にこちらを鑑賞。白黒から突然カラーになった瞬間、画面に引っぱられたような感覚に陥った。うわぁと思わず声が出た。最近撮られた映像を見ているようだった。映像だけでなく、声や音も全て、より鮮明に感じた。
戦時中にも関わらずイギリス兵たちが陽気で笑顔を絶やさず楽しそうだったが、死と隣り合わせの現実を忘れようと一心に笑っていだけに見えた。また捕虜となったドイツ兵と帽子を交換したり、和やかに談笑しているのにも驚いた。(これイギリスだからなのでは?フランスやロシアだったら話は変わってくるでしょうね)
WW2に比べて教科書でも地味な扱いを受けるWW1だが、戦争の悲惨さ、地獄っぷりで言えば(銃後も含めて)WW1が勝るのではないかと思う(悲惨さなんて比べられるものではないが)。永遠に膠着状態の泥沼凍傷鼠の塹壕戦、無意味な突撃の繰り返し...。映画を見ていて気づいたのは、人間はどんな環境にも慣れ、適応してしまうんだな、ということ。この世の地獄のような塹壕の中、死体が至るところに転がっていて、人間か獣かどうかの瀬戸際で、兵士たちは何を思って死んでいったのだろう...。死体に口無しだが。
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