おはうち

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのおはうちのレビュー・感想・評価

3.5
どこからカラーになるのか、どこからモノクロになるのかで、観客に記憶させたい、共有させたい物が実に明瞭だ。その共有したい物を大きく映したいがために、画面サイズは徐々に大きくなっていく。どの地点からスクリーン一杯に広がって、カラーになっていくのか、記憶しろ。

ラスト付近、モノクロになり、しょぼしょぼとスクリーン一杯の映像は縮んでいき、戦場にいた彼らの記憶と大衆の日常とを並列されると、語りは寂しくなっていく。映画は彼らの記憶に近付きたい一心で作られた物と理解できる。

機関銃を撃ち続けると加熱していくから水を冷却するために使ってみると、お湯になるんだから紅茶を飲む。戦場を生きるテクニックなどを見聞き出来て面白い。

突撃シーンから、実際の映像が希薄になりダイジェスト気味になってくると長く感じてしまった。生きていた人間の顔から死体になった結果を繋いでいく映像処理は悪くないんだけど、手数に限界を感じるしかなった。

軍隊の行進を長々と映されて、本当に大量の人間が送り込まれていく、圧倒される、そんな様子を長々と眺めた。
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