FATMAX夜食のデブロード

バイバストのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

バイバスト(2018年製作の映画)
3.4
まぁザックリ言えば

フィリピン版【ザ・レイド】

みたいなモンではある。
しかしながらコレはコレで中々のパイパワーアクションムービーであった。

まぁレイドに比べて話の展開にモッサリ感があったりする風に見える。

見えるのだけど!

この作品、シンプルなハードコア-アクション映画なのは確かだが、フィリピンのドゥテルテ大統領が仕掛けた麻薬戦争を少し調べてもらうとこの映画、実は強烈なメッセージが含まれているって事が分かる。
つまりラストのアレは「うわぁ…」どころじゃないって事なワケで。
(まぁそれでもチョイと展開がモッサリするのは否めないけど)

三つ巴の乱戦ながら主人公側の警察はスラムの住民を殲滅出来ない等のハンデ設定も効いている。

決してスマートな作りじゃない。
肝心なアクションシーンでもチョットもう何やってるか分からないって部分もチラホラ。
でも決して単に雑な作品でもない。
後半の長回しや容赦ない痛みを想像してしまう描写等、乱暴ながらも熱量は結構なモンでぶっちゃけ印象はかなり良い。


こういう作品は熱量って大事!
ソレがちゃんと伝わって来てるだけでワシ的には合格だ。


あの麻薬戦争(関わってる奴は殺しても構わないって実際に大統領は言ってるのよ)で死んだのは末端の奴だったり、実際本当に関係者だったか不明なままの人も多数存在し、それでいて組織の上に立つ奴は中々捕まらないという現実。

ココを鋭くストレートにブチ込んで来てる辺り、実はフィリピン自国の作品としてはかなり攻めてる内容なんじゃないだろうか?と推察している。


まぁソコは気にせずともパイパワーなのは間違いない。

コレに限らずザ・レイド等も、ダークサイドを抱える国だからこそ出来る映画なのかもしれないな。


レンタルで「いつか観なければ」と一応チェックしてはいたが、ついつい後回しにしてしまい申し訳なかった。

2020年7月現在 Netflixでも配信中。