ガーコ

Fukushima 50のガーコのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
5.0
揺れる地面。
動く家具。
動揺する人々。
鳴り響くサイレン。

あの時の記憶が一瞬にしてフラッシュバックした冒頭の5分間。

開始早々のリアルな映像に、鳥肌が止まらなくなってしまった…。

そうだ、震災が起きてまだ9年しか経っていなかったんだと思い知らされました。

今回は、監督、佐藤浩一さん、吉岡秀隆さん登壇による舞台挨拶付きの試写会。

佐藤浩一さんが語る、熱い言葉一つ一つが胸を打ちました。
あの時彼らは何を想い、行動したのか?
映像化することで見えてくる、一人一人の感情がたくさん伝わってきました。
この映画を観ることができて、本当に良かったと心の底から思える素晴らしい作品でした。


映画では、現場のリアルな怒号が飛び交うシーンが印象的でした。
意見が対立し、ことが一刻を争う中で、的確な判断を出し続けた直長。

また、原子炉建屋の中、放射能を沢山体に浴びながら、火傷を覆いながら命がけでバルブを開こうとしてくれた人。

政府と必死に戦い、最善の策を講じてくれた現場の所長。

沢山の原発の社員が、1号機と3号機が爆発しても、最後の最後まで国民を見捨てずに働き続けてくれたことに感謝しました。

メルトダウンした原発で、彼らが必死に、国を家族を未来を、守ろうとしていたことを心から感謝したくなります。

9年という年月が経っても、あの当時の記憶は今でもリアルに呼び起こすことができる。
この映像を観ることは、もう一度あの時の真実をきちんと心に受け止め、改めて自然災害の恐ろしさというものを忘れてはいけないと思いました。

大地震が、あと30年以内に起こると言われている現代だからこそ、自分たちに何ができるのか?
また、日本の未来をどう築いていくのかを考えていかなければならないと強く感じました。

同じ過ちを2度と繰り返さないように、一人一人がしっかりと対策を立てていかなければならないと思います。

国を守った彼ら一人一人の行動に感謝すると共に、体を張って亡くなった所長のご冥福をお祈りします。

心に残る映画をありがとうございました。
ガーコ

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