ハレルヤ

Fukushima 50のハレルヤのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.3
Filmarks主催の大阪での試写会に参加させていただきました。このような機会をくださって本当にありがとうございます。

もう10年近く前になるあの東日本大震災。
その際に福島第一原発で発生した前代未聞の原発事故。東日本全域が壊滅する可能性があった中、現場に残り命懸けで復旧作業を行った人々を描く実話を基にしたドラマ。

冒頭からいきなりあの地震と津波の大災害が原発に襲いかかる場面で幕を開けるので、度肝を抜かれました。この時点で完全に非日常のど真ん中に叩き込まれます。

その想定外の大津波の影響で原発は制御不可能状態。次々と巻き起こる前例のない災厄の連続。リアルタイムであの建屋が爆発で吹き飛んだ様子をテレビで見た時の絶望感は今でも忘れられません。

まるで戦場のような現場。敵兵のいない戦争のようなもの。しかも相手は実態が見えない怪物。明かりがなく、暑さと放射能で汚染されまくった建屋での復旧作業の場面は、そこらのホラー映画よりも何倍も恐ろしさを感じるほどでした。

そんな中決して投げ出すことなく、体を張って、自らの仕事に誇りを持って作業にあたった現場の方々。本当に頭が下がります。自分達が諦めたら日本は終わるという、想像できないプレッシャーを背負って、何日も不眠不休で挑む姿は深く印象に残ります。

渡辺謙と佐藤浩市という二大俳優が中心となり、他のキャストの皆さんもこの映画に対する底知れない熱量が感じられました。

今こういった何気ない日常があるのも、この人たちのおかげ。当たり前にある普段の日々を大切に生きなければいけないという思い。
自然に想定外なんか無く、決して甘く見てはいけない備えの気持ち。そして絶対に忘れてはいけないこの恐ろしい震災そのものと、その影で活躍した人々。観賞後、色んな感情が頭に浮かびました。

奇しくも現在、新型コロナウイルスで日本はまた大きな局面を迎えていますが、震災発生当時の国の対応の悪さを繰り返してはいけない時です。そういった今のご時世もあり、本作の存在の大きさをより感じました。

長く色々書きましたが、日本人であるならば是非一度は見ておくべき作品であると思います。