りのあ

ホテル・ムンバイのりのあのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.8
ホテルムンバイの戦士たち!

2008年にインドのムンバイで本当にあった同時多発テロを元にした映画です。

インドを代表する五つ星ホテル、タージマハルパレスホテルは、テロリストに占拠されお客さんと従業員が大勢閉じ込められてしまう。
日頃からお客様は神様です、と懸命に奉仕してきた従業員たちは、テロの恐怖に怯えながらもその姿勢を崩さず、必死にお客様を無事に逃がそうと頑張ります。
最初こそ勝手言ってたような客たちも協力しあって団結します。
ホテルマン、アルジュンに扮するのはデヴパデル。優しくて忠実なホテルマンがとてもはまっていました。
私の中では彼の出演している作品にハズレは無い!(笑)
宿泊客のアメリカ人建築家デヴィッドにアーミーハマー。奥さんと生まれたばかりの赤ちゃんと子守の女性と泊まりに来ていてテロに遭遇してしまいます。
無敵のヒーローのような強さは無くても、家族を守りたい普通の男の人です。
ちょっと見た目がカッコ良すぎですが(笑)

そんな必死な従業員と客に感情移入して何度か泣いてしまう今作ですが、テロリスト側も実行犯は少年です。中東系の方は大人っぽく見えるので、少年?とは思いますがおそらく18歳前後くらいなのでしょう。
首謀者には電話で指示されていますが、
世界中が見ている、英雄になれる。だの、残った家族には大金が支払われるだの言われているので、(実際には家族にお金は払われていない)捨て駒のように使われているだけだと気づくと、ちょっと切なくなります。
しかもその首謀者は10年たった今でも捕まっていないというところが恐ろしすぎる。
またいつかどこかで同じ事を起こすかもしれない。
そんな時自分はホテルの従業員のような行動ができるのか?絶対できないと思ってしまった。

タージマハルホテルの犠牲者の大半は、お客様を守った従業員だったそうです。
生き残った従業員は、今もタージマハルホテルで働いているそうです。
その従業員たちは戦士たちと呼ばれるにふさわしい素晴らしい方々だと思いました。

この先インドに行くことがあるかも分からないし、行けても五つ星ホテルに泊まれないだろうけど、万が一行けることがあったら戦士たちを讃えたいと思った素晴らしい映画だった。
りのあ

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